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泌尿器科 女性泌尿器科
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名古屋の泌尿器科|本山腎泌尿器科ゆうクリニック

血尿

血尿が出たら?

びっくりしたでしょ?
でも少し落ち着いて考えてみてください。
どこか痛いところはありませんか?
おしっこが近いなどの症状はありませんか?

(症状として)痛みなどはありません

血尿は腎臓から尿管、膀胱、尿道までの尿の通り道のどこかで出ていますから、何処かにできもの(腫瘍)があるかもしれません。

一番多いのは、膀胱です…
内視鏡で見てみましょう。
膀胱尿道ファイバースコピー

はっきりしたできものがなくても、膀胱の表面をはうようなものもありますから、尿に悪い細胞が出てないか調べてみましょう。(尿細胞診

膀胱・尿道は大丈夫でした。
そうするとその上の尿管・腎臓からですか?

尿路結石でも痛みのないものも時々あります。超音波検査で見てみます。

尿管の結石や尿管のできもので尿の流れが悪くなると腎臓や尿管がはれているの(水腎・水尿管)が超音波検査でよくわかります。
もちろん腎結石や腎臓の腫瘍もわかります。
尿管や腎盂のできものでも尿に悪い細胞が出ていることがあります。
男性であれば前立腺がんのチェックで採血(PSA検査)も必要ですね。
さらにCT検査を行うともっといろいろわかります。

(症状として)痛みがあります

どこが痛みますか?

腰部・背部? 右? 左?
下腹部? 排尿時? 排尿後?

どこかの炎症でしょうか?
膀胱炎でも出血することがよくあります。

尿の検査をして炎症細胞を見てみましょう。
検尿・尿沈渣
尿路に結石があるかもしれません。

超音波検査で見てみましょう。
CT検査だともっといろいろわかりますね。

検査をどこまでするのか?

これらの泌尿器科的検査で血尿の原因が同定されない場合、腎炎などの内科的な腎疾患の検索のために血液検査尿検査を行う場合もあります。

血尿を訴えて患者さんが来院された場合の診察の流れはだいたい以上のようなものになります。

ただ原因のはっきりしない血尿の場合、経過観察が必要になります。その場合3年間は3ヶ月から半年ごとの経過観察をお勧めします。

見た目で血尿とわかる肉眼的血尿以外にも、検査でわかる顕微鏡的血尿もあります。

健康診断で潜血が出ていると言われたことがある方も多数いらっしゃることでしょう。

尿潜血でもだいたい同じような診察の流れになりますが、検査をどこまでするのか?
というのは患者さんごとに違ってきます。

当院では痛みの少ない・細い・『軟性スコープ』による内視鏡検査を行うことができます。

膀胱癌

特徴

膀胱癌は、膀胱の尿路上皮(移行上皮)粘膜より発生する悪性腫瘍であり、病理組織学的には、その約90%以上は尿路上皮癌です(※1)
またその特徴として、空間的、時間的多発性があげられます。すなわち、診断時すでに膀胱内の他の場所に多発している場合や、内視鏡下に切除した後に膀胱内再発を認める頻度も高いということです(※2)。また、膀胱同様尿路上皮粘膜を有する腎盂・尿管・前立腺部尿道といった他の尿路に病変を合併することも多く、膀胱癌を診断した際には尿路全体をスクリーニングする必要があります(※3)

疫学

膀胱がんは症状が早期より出やすいため早期発見率が高く、また悪性度の低い乳頭状がんと呼ばれるものの割合が多いため(※4)、比較的死亡率の低いがんです。また男性に多い癌で、わが国の2002年における膀胱癌の年齢調整罹患率(年齢調整罹患率:/10万人/年・基準人口は昭和60年のモデル人口)は、7.6であり、男女別にみると、男性 13.5、女性 2.9と男性において約4倍高頻度に発生しています。年齢調整死亡率(10万人/年、基準人口は昭和60年のモデル人口)は、2005年の集計にて、男女合計で2.2(男性 3.9、女性 1.0)でした(※5)(※6)
また膀胱癌は高齢者に好発する悪性腫瘍であり、50歳以上での顕微鏡的血尿症例における膀胱癌の頻度は、若年の症例群に比較して有意に高いとする報告があります(※7)

喫煙は現在、膀胱発がんの最大の原因と考えられます。喫煙者は、非喫煙者に比較して2~4倍、膀胱癌の発症リスクを高めるとされます(※8)

特殊な原因としては、染料や化学物質を扱う職業性膀胱癌があります。19世紀、ドイツのRehn により、化学染料中に存在する芳香族アミン類への暴露を原因とする職業性膀胱癌の存在が初めて報告されました。現在本邦においても、1972年に施行された労働安全衛生法により、4種類の芳香族アミン類(benzidine、2-naphthylamine、4-aminobiphenyl、4-nitrobiphenyl)が職業性膀胱癌の原因として製造、使用、輸入が禁止されています(※9)

膀胱癌のタイプ

膀胱癌は大きく分けて2つのタイプ 表在性膀胱がん(筋層非浸潤性がん)筋層浸潤性膀胱がんに分類でき、それぞれ治療法が異なります。

表在性膀胱がん(筋層非浸潤性がん)

写真は乳頭状有茎性腫瘍

膀胱癌の形態別の頻度は、乳頭状腫瘍約 70%、非乳頭状腫瘍約 20%、平坦型約 4%と報告されています(※10)。この肉眼的形態は腫瘍の生物学的特性を反映することが多く、例えば乳頭状有茎性腫瘍は粘膜内に限局した高分化癌(筋層非浸潤癌)であることが多く、他方、非乳頭状広基性腫瘍は筋層以上の深部に進展する筋層浸潤癌である頻度が高いようです(※11)表在性膀胱がんは内腔に乳頭状(カリフラワー様)に発育し、膀胱壁(筋層)へは浸潤していません。膀胱がんの約70%がこのタイプで、生命に関るほどの重篤なものではありませんが、再発を繰り返しやすいという特徴があります。

浸潤性膀胱がん(筋層浸潤性がん)

浸潤性膀胱がん(筋層浸潤性がん)は膀胱の壁に浸潤し、進行が早く、早期にリンパ節や他臓器に転移を起こしやすく問題となります。

その他、特殊なものとして上皮内癌(CIS)があります。これは腫瘍の形態をとらず、CTなどの画像では同定できません。しかし、浸潤性癌へ移行しやすく浸潤性癌と同様に考えられます。

膀胱癌の症状

膀胱癌が発見される契機となる主な臨床症状は、血尿(無症候性肉眼的血尿、顕微鏡的血尿)、膀胱刺激症状(頻尿、排尿時痛、残尿感等)である。特に無症候性肉眼的血尿は、最も頻度の高い症状であり、過去の報告では同症状を主訴とする患者の13~28%が膀胱癌と診断されています(※12)(※13)。一方で、顕微鏡的血尿の背景疾患としての膀胱癌の頻度は高いものではなく、0.4~6.5%と報告されている(※14)(※15)。また膀胱刺激症状は、膀胱癌症例の約3分の1で認められるとされ、膀胱壁内筋層に進展する筋層浸潤癌や、高異型癌細胞が粘膜表層に広がる上皮内癌(CIS)に伴うことが多い(※16)。つまり治療に難渋する膀胱炎様症状を有する患者を診た場合、膀胱癌を鑑別診断にあげる必要があります。

膀胱癌の診断

膀胱癌が疑われた場合、膀胱鏡検査を行ない癌があるかどうかまず診断します。この時点で表在性がんか浸潤性がんかある程度予測できます。
局所の広がりをみるためにCT検査、MRI検査などを用いて診断します。
また、浸潤がんが疑われるとき胸腹部CT検査、骨シンチグラフィなどで遠隔転移の有無も検索を行ないます。
確定診断は尿道から内視鏡をいれて腫瘍を電気切除する手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-Bt)を行い、病理学的に、がんの悪性度、浸潤度を診断します。

膀胱癌の確定診断と治療

まず経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-Bt を行い確定診断となります。
癌の筋層への浸潤を正確に診断するためには TUR-BT が不可欠です。膀胱鏡の所見などから筋層浸潤癌が疑われる場合には、筋層を含む切除が必要です。男性では前立腺部尿道の、女性では膀胱頸部の生検も必要です。
さらに、初回の TUR-Btで pT1 の筋層非浸潤癌でも grade 3 などの high grade cancer では、2nd TUR-Bt により高率に筋層浸潤癌が検出されるため、2nd TUR-Bt が推奨されています(※17)

表在性膀胱がん(筋層非浸潤性がん)

病理組織学的に筋層非浸潤膀胱癌であった場合、再発と進展のリスク分類に応じて術後の後療法を行います。リスク分類は病理学的深達度と異型度ならびに併発 CIS の有無に加えて、臨床的因子である再発頻度(初発・再発と再発間隔)、腫瘍数、腫瘍サイズなどを用いて定められますが、EAUガイドライン、米国NCCNのガイドラインなどで異なっています。後療法の一例として以下のようなものがあります。

  • 低リスク型はTUR-BT後の後療法を必要としません。
  • 中間型癌はTUR-BT後、化学療法剤の膀胱内注入をおこないます。
  • 高リスク型癌はTUR-BT後、BCGの膀胱内注入をおこないます。
浸潤性膀胱がん(筋層浸潤性がん)

TUR-Btにて組織学的に筋層浸潤癌と確定診断された、浸潤性膀胱がんの標準治療は、根治的膀胱摘除術+骨盤リンパ節郭清術(+尿路変向)です。男性では膀胱、前立腺、精嚢を一塊として摘出します。尿道再発のリスクが高いと予測される時には尿道も同時に摘出します。女性では、膀胱、尿道、子宮、膣前壁を摘出します。郭清すべきリンパ節の範囲は明確には規定されていませんが、通常、骨盤リンパ節(左右の内および外腸骨リンパ節、閉鎖リンパ)を摘出します。リンパ節郭清の範囲を大動脈分岐部までに拡大する報告もあるが、郭清範囲を拡大することによるリンパ節転移の診断率の向上、治療成績の向上などに関しては確立されていません(※18)。膀胱を全部摘出した場合は何らかの方法で尿を体外に排出する方法、尿路変向術が必要になります。
回腸の一部を切り取って、そこに尿管をつないでその腸の一端を体外に出しそこに尿をためる袋(パウチ)をつける術式を回腸導管といい現在でも標準的な術式です(※19)尿管皮膚瘻術は、短時間で施行でき簡便で、腸管利用尿路変向がリスクを伴う患者や合併症を持つ患者に適応になります(※20)
膀胱頚部や前立腺部尿道に癌がなく、さらに上皮内がんを併発してない場合は腸を使って、膀胱の代わりになる新しい袋を作ります。これは自然排尿型代用膀胱ともいい、尿道から自分で排尿することができます(※21)

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Q&A

最近、排尿時に少量ですが血が混じっていることがあります。痛みなどは特に感じないのですが、何か病気でしょうか?治療を受けた方が良いのでしょうか?

尿に血が・・・ビックリしますよね。
血尿には見た目でわかる肉眼的血尿と検査で指摘される顕微鏡的血尿(いわゆる潜血尿)があります。血尿はそれ自体が問題というより、尿路の何処かで出血している、その原因が何かつきとめることが重要です。

痛みのない血尿であれば、膀胱がんや腎がんなど尿路にできる悪性腫瘍の可能性があります。まず超音波検査や尿の細胞診を行います。疑わしい場合はさらに、膀胱鏡など内視鏡検査を行います。内視鏡検査は痛みの少ない細い軟性ファイバーによる検査を行うところも増えてきました。

成人男性では前立腺がんも想定しPSAの採血も必要です。それでもはっきりしない場合はCTやMR検査などを行う場合もあります。痛みはなくても腎臓や膀胱などに結石がみつかることもあります。また潜血尿では腎炎などの内科的腎疾患も考慮する必要があります。

まずは一度、考えすぎずに泌尿器科を受診してみましょう。

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