
男性の更年期は女性の場合と異なり明確な時間的区切りはなく、そのホルモンの減少も通常は比較的緩やかなものであるため、男性の更年期症状は従来あまり問題にされてきませんでした。ただ確かに中高年の男性が、身体の不調や自律神経の症状を訴えたり、抑うつ的になることがあり、これらにはホルモンバランスの変化が関係しているのではないか?と考えられてきました。
それが2000年頃から欧米で、ADAM (Androgen Decline in Aging Male)という概念が提唱され、比較的急激な男性ホルモンの低下は、ひとつの病気であり治療の対象であると考えられるようになりました。最近では加齢の影響、社会的ストレスの影響を考慮して、LOH(Late-onset Hypogonadism)症候群=加齢男性性腺機能低下症候群という名称で呼ばれるようになりました。これは、年齢にともなう自然な低下より早い男性ホルモンの機能低下によりいろいろな症状が起こっているということです。